はじめに
こんにちは。あやかです。
MacBook Airの初期セットアップ手順をまとめました。新規購入時、買い替え時、初期化後など、どんな場面でも使えるように式年遷宮方式での手順書を作成しました。
この手順書は、主に自分用のメモとして作成していますが、同じような環境を構築したい方の参考になれば幸いです。
式年遷宮方式とは
式年遷宮方式とは、伊勢神宮の式年遷宮から着想を得た環境構築の方法です。
定期的に環境を構築し直すことで、移行作業の手順を忘れず、いつMacが壊れても対応できる状態を維持します。また、不要なものをそぎ落とし、新しい技術を取り込むことで、環境をリフレッシュできます。
想定環境
この手順書は、以下の環境を想定しています。
- Mac: MacBook Air(M2/M3/M4など、Apple Silicon搭載機種)
- macOS: macOS 26.2以降
- バックアップ: 外付けSSDに必要なファイルを退避
- 移行元: 既存のMac環境がある場合
想定作業時間
- Phase 1(事前準備): 2-3時間
- Phase 2(セットアップ): 3-4時間
- Phase 3(データ移行・動作確認): 1-2時間
- Phase 4(旧Mac処理): 1時間(移行の場合のみ)
Phase 1: 事前準備
既存の環境がある場合は、以下の手順で環境を記録し、データをバックアップします。新規購入の場合や、特にバックアップが不要な場合は、Phase 2へ進んでください。
1-1. 環境の記録
Brewfileの生成
Homebrewでインストールしたパッケージとアプリケーションのリストを生成します。
cd ~/Desktop
brew bundle dump --file=./Brewfile
このファイルは、Phase 2で新しいMacにパッケージをインストールする際の参考にします。
VSCode拡張機能のリスト化
code --list-extensions > ~/Desktop/vscode_extensions.txt
pipx環境のエクスポート
pipx list --json > ~/Desktop/pipx_packages.json
インストール済みアプリの一覧
ls /Applications > ~/Desktop/installed_apps.txt
1-2. 設定ファイルのバックアップ
外付けSSDに以下のファイル・ディレクトリをコピーします。
SSH関連
~/.ssh/config
~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk
~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk.pub
~/.ssh/known_hosts
注意: YubiKey FIDO2形式のSSH鍵は再生成できないため、スタブファイルは必ずバックアップしてください。
念のため公開鍵をテキストで保存:
cat ~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk.pub > ~/Desktop/yubikey_ssh_public_key.txt
AWS CLI関連
~/.aws/config
~/.aws/credentials
Git設定
~/.gitconfig
VSCode設定
~/Library/Application Support/Code/User/settings.json
~/Library/Application Support/Code/User/keybindings.json
1-3. データのバックアップ
外付けSSDに以下のデータをコピーします。
~/Documents/~/Desktop/(作業ファイル含む)- Blog関連のソースファイル
- その他プロジェクトファイル
1-4. ライセンス情報の整理
ライセンス管理が必要なアプリケーションの一覧です。移行の場合は、旧環境でライセンスを解除してから新環境で再認証します。
| アプリ | 種類 | 移行方法 |
|---|---|---|
| ATOK | サブスク | 旧Macでライセンス解除 → 新Macで再認証 |
| Snagit | 買い切り | 旧Macでライセンス解除 → 新Macで再認証 |
| Microsoft 365 | サブスク | Microsoftアカウントでサインイン |
| BetterSnapTool | 買い切り | App Storeログインで自動 |
| 1Password | サブスク | アカウントログインで自動移行 |
事前準備
- ATOKユーザー辞書のエクスポート(ATOK環境設定から)
- Snagitライセンスキーの確認
- その他必要な認証情報の確認
Phase 2: 新Mac セットアップ
2-1. macOS初期設定
macOSの初期設定を行います。
- 言語・地域設定
- Apple IDログイン
- iCloud設定
- Touch ID設定
- システム環境設定の調整
2-2. Homebrewのインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
インストール後、パスの設定を行います(インストール後に表示される指示に従ってください)。
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
2-3. Brewfileの作成とパッケージのインストール
新しいMacにインストールするパッケージとアプリケーションを定義したBrewfileを作成します。
Phase 1で生成したBrewfileを参考に、必要なものだけを選別して新規に書き下ろします。不要なものをそぎ落とし、新しい技術を取り込むチャンスです。
以下は、Brewfileの例です。
# ========================================
# CLI Tools
# ========================================
brew "hugo" # 静的サイトジェネレーター
brew "openssh" # YubiKey FIDO2対応のため
brew "pipx" # YubiKey Manager (ykman) 用
# ========================================
# Applications
# ========================================
cask "1password"
cask "appcleaner"
cask "crunch"
cask "google-chrome"
cask "keka"
cask "logitech-options"
cask "microsoft-excel"
cask "microsoft-powerpoint"
cask "microsoft-word"
cask "onedrive"
cask "snagit"
cask "spark"
cask "tabby"
cask "thunderbird"
cask "visual-studio-code"
Brewfileを ~/Desktop/Brewfile として保存したら、以下のコマンドでインストールします。
cd ~/Desktop
brew bundle install
2-4. 開発環境の構築
YubiKey Manager (ykman) のインストール
pipx install yubikey-manager
pipx ensurepath
ターミナルを再起動後、動作確認:
ykman list
SSH設定の復元
外付けSSDから設定ファイルをコピーします。
mkdir -p ~/.ssh
cp /Volumes/SSD名/.ssh/config ~/.ssh/
cp /Volumes/SSD名/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk ~/.ssh/
cp /Volumes/SSD名/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk.pub ~/.ssh/
cp /Volumes/SSD名/.ssh/known_hosts ~/.ssh/
パーミッション設定:
chmod 700 ~/.ssh
chmod 600 ~/.ssh/config
chmod 600 ~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk
chmod 644 ~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk.pub
chmod 644 ~/.ssh/known_hosts
GitLabへの接続テスト:
ssh -T git@gitlab.com
AWS CLI設定の復元
外付けSSDから設定ファイルをコピーします。
mkdir -p ~/.aws
cp /Volumes/SSD名/.aws/config ~/.aws/
cp /Volumes/SSD名/.aws/credentials ~/.aws/
パーミッション設定:
chmod 600 ~/.aws/credentials
chmod 644 ~/.aws/config
動作確認:
aws sts get-caller-identity
Git設定の復元
外付けSSDから設定ファイルをコピーします。
cp /Volumes/SSD名/.gitconfig ~/.gitconfig
動作確認:
git config --list
2-5. アプリケーションのインストール
App Store経由
- BetterSnapTool(App Storeログインで自動ダウンロード可能)
手動インストールが必要なアプリ
-
ATOK
- JustSystemsマイページからダウンロード
- ライセンス認証
- ユーザー辞書のインポート
-
WinBox
- https://mikrotik.com/download からダウンロード
-
Windows App
- App Storeからインストール
-
セキュリティソフト(オプション)
- Kaspersky or ESET
- 動作確認後に必要に応じてインストール
2-6. VSCodeの設定
設定ファイルの復元
外付けSSDから設定ファイルをコピーします。
mkdir -p ~/Library/Application\ Support/Code/User/
cp /Volumes/SSD名/Code/User/settings.json ~/Library/Application\ Support/Code/User/
cp /Volumes/SSD名/Code/User/keybindings.json ~/Library/Application\ Support/Code/User/
日本語化パックのインストール
code --install-extension ms-ceintl.vscode-language-pack-ja
code コマンドの有効化
VSCodeを開いて: Command Palette (Cmd+Shift+P) → Shell Command: Install 'code' command in PATH
Phase 3: データ移行と動作確認
3-1. データのコピー
外付けSSDから必要なデータをコピーします。
cp -r /Volumes/SSD名/Documents ~/
cp -r /Volumes/SSD名/Blog ~/
# その他必要なファイル
3-2. 動作確認チェックリスト
セットアップが完了したら、以下の項目を確認します。
- YubiKey認識 (
ykman list) - GitLab SSH接続 (
ssh -T git@gitlab.com) - AWS CLI認証 (
aws sts get-caller-identity) - Hugo動作確認 (
hugo version) - VSCode起動・日本語表示
- Chrome(Googleアカウント同期)
- 1Password(アカウントログイン)
- ATOK動作・ユーザー辞書
- Snagit動作・ライセンス認証
- Microsoft 365(サインイン)
- その他日常使用アプリ
Phase 4: 旧Macの処理
既存のMacから移行した場合のみ、以下の処理を行います。
4-1. 動作確認期間
新しいMacで 1〜2週間 業務・日常使用を行い、問題がないことを確認します。
4-2. ライセンスの解除
旧Macから以下のライセンスを解除します。
- ATOK: JustSystemsマイページでライセンス解除
- その他: 必要に応じて
4-3. データ消去
# macOS復元モードで起動 (Command + R)
# ディスクユーティリティで内蔵ディスクを消去
# macOSを再インストール
4-4. 売却準備
- 外観のクリーニング
- 付属品の確認(充電器、箱など)
- 売却先の選定(Apple Trade In、中古買取店など)
トラブルシューティング
SSH接続エラー
# YubiKeyが認識されているか確認
ykman list
# SSH鍵のパーミッション再設定
chmod 600 ~/.ssh/id_private_gitlab_ykB_ed25519_sk
# 接続テスト(詳細ログ)
ssh -vT git@gitlab.com
AWS CLI認証エラー
# 認証情報の確認
aws configure list
# 再設定
aws configure
Homebrewインストールエラー
# Xcodeコマンドラインツールのインストール
xcode-select --install
参考リンク
おわりに
この手順書は、MacBook Airの初期セットアップを式年遷宮方式で行うための手順書です。
定期的に環境を構築し直すことで、いつMacが壊れても対応できる状態を維持できます。 新規購入時、買い替え時、初期化後など、必要に応じてこの手順書を参照してください。